はじめに:情報は増えたのに、安心は増えていない
40代の筆者が最近切に感じていることではありますが、
スマホを開けば、
- 不安をあおるニュース
- 極端な意見
- 強い言葉の投稿
が、次から次へと流れてきますよね。
情報量は明らかに増えているのに、
「よく分からない」「何を信じていいか分からない」
と感じる人も増えているように思います。
情報が少ない時代に育った筆者にとって、情報が多ければ良いといったことではないと感じます。
システムエンジニアとしてこの状況を見ると、
これは単なる情報過多ではなく、
ノイズの多い環境で判断を求められている状態に近いと感じます。
ITの世界でも、
ログが多すぎるシステムほど、
本当に重要な異常を見逃しやすくなります。
なぜ情報に振り回されやすくなったのか?
① 情報の「速さ」と「強さ」が優先される構造
SNSでは、
- 早い
- 分かりやすい
- 強い言葉
ほど、拡散されやすい傾向があります。
一方で、
- 丁寧な説明
- 前提条件
- 例外ケース
こうした情報は、どうしても目立ちません。
結果として、
極端な意見だけが目に入る構造ができあがります。
これは政治にも言えることで、人々が極端な言葉に振り回されるなんてことはよくあることなので、
そうならないように普段から勉強をしておくことが大事です。
② 情報の発信者と受信者の境界が曖昧になった
以前は、
- 専門家が発信
- メディアが整理
- 受け手が読む
という流れがありました。
今は誰でも発信でき、
誰の意見も同じタイムラインに並びます。
これは自由である一方、
信頼度のフィルタが弱くなった状態でもあります。
まさに情報もピンキリで各自の情報のフィルタリングの能力が今まで以上に求められます。
③ 不安を刺激する情報ほど目に残る
人は、
- 危険
- 怒り
- 不安
に関する情報に、どうしても反応しやすいものです。
検索のアルゴリズムなどもまた、
「反応が多い投稿」を優先的に表示します。
結果として、
不安を増幅させる情報が繰り返し流れてきます。
SE視点で見る「情報ノイズが多い状態」とは?
ここからは、少し技術寄りの話になります。
● ログが多すぎて、重要なアラートが埋もれる
システムでは、
- ログが多すぎる
- 優先度が整理されていない
状態だと、
本当に対応すべき障害を見逃します。
今の情報環境は、
これにかなり近い。
すべてが「重要そう」に見えるため、
判断が鈍ります。
● フィルタリングが個人任せになっている
どの情報を見るか、
どこまで信じるか。
これらがすべて個人の判断に委ねられています。
SE的に言えば、
フィルタ設定をユーザーに丸投げしているシステムです。
慣れていない人ほど、
ノイズをそのまま浴びてしまいます。
● 正解が一つに見えてしまう
強い言葉は、
「これが正しい」と断言する形で語られがちです。
本来は、
- 状況による
- 人による
- 前提条件が違う
はずなのに、
その余白が削られてしまいます。
情報に疲れてしまう人が増えるのは自然なこと
情報に振り回されるのは、
判断力が弱いからではありません。
設計上、
そうなりやすい環境に置かれているだけです。
ITの世界なら、
真っ先に改善対象になります。
- ノイズを減らす
- 優先度を付ける
- 重要な情報だけを拾う
人間側にも、
同じ発想が必要になってきています。
私たちができる現実的な対策
① 情報源を意識的に減らす
すべてを追いかける必要はありません。
- 見る媒体を絞る
- 1日のチェック回数を決める
これだけでも、
頭の負荷はかなり下がります。
② 断定的な情報ほど一歩引いて見る
「絶対」「間違いない」と言い切る情報ほど、
少し距離を取る。
SEなら、
仕様の前提条件を確認する感覚です。
③ 自分の生活に直接関係あるかで判断する
- 今すぐ必要か
- 自分に影響があるか
この視点で見ると、シンプルではありますが
意外とスルーできる情報は多いものです。
まとめ:情報過多の時代こそ、取捨選択が重要
- 情報に振り回されやすいのは構造の問題
- ノイズが多く、優先度が整理されていない
- SE視点では、設計と運用の課題
- すべてを見る必要はない
情報を遮断する必要はありません。
ただ、付き合い方を変えることはできます。
ITも情報も、
使いこなせてこそ意味があります。
少し距離を取りながら、
自分に必要な情報だけを拾っていく。
それくらいが、ちょうどいいのかもしれません。